独りよがりで物事に取り組んでいると、上達の遠回りになってしまったり、偏った癖がついてしまったりすることもあります。なかなか上達が感じられないと、思考もマイナスに陥り、せっかく好きで楽しくてやっていることが苦痛になってしまうこともあるかもしれません。
もちろん、客観的に自分の事を見られる人の中には、人から教えられなくても、自分自身の手で道を切り拓いていける人もいると思います。でも多くの人は、“人に教えてもらう”ということを通して自分自身の弱点に気付けたり、自分では持つことができなかった視点で物事をみることができるようになったりすることで、大きく成長することができるようになる気がします。
これは楽器についても言えることです。
レッスンで先生にアドバイスを頂きながら、いい音を間近で聴いて、一緒に吹いていると、上手くなったように感じるものです。実際できるようになっていることもたくさんありますし、自分では気づけなかったことを教えていただくことで、これまで八方ふさがりになっていたことが、いきなり道が拓けることもあります。それがレッスンを受けることのメリットでもあります。
しかし、レッスンを受けて、何となくできるようになっただけで満足してしまっては、本当の意味でレッスンを活かしきれてはいません。大切なのは、それを一人で吹いている時にもできるようになるまで練習して、自分の力として身に付けることです。
先生は常に横にいてくれるわけではありません。
先生は生徒が独り立ちして、自分の力でできるようになるためのサポートをするのが仕事です。
だから、レッスンを受けることに依存してしまい、習ったことを自分で消化できなければ、教えてもらったことはただの「知識」で終わってしまいかねません。それでは宝の持ち腐れです。
教えてもらったことを、自分なりにかみ砕いて、自分のものにするために工夫して、試行錯誤しながら身につけていくこと。それができてはじめて、レッスンの効果があるというものです。
ということを普段は生徒に言ってたりするわけですが、自分がレッスンを受ける度に自分自身に対しても思っていたりすることでもあります。まだまだ自分は教えていただくことで満足してしまって、自分でとことん身につけるための努力が足りていないように思います。
音楽も勉強も仕事も同じ。
人から学ぶことも大事だけれど、それを自分のものにするための努力は必要。学んだことに満足しないで、探究していきたいものです。