失敗しないことよりも大切なこと ~音楽の原点に立ち返る~

音楽家サポートコーチの高野直人さんが次のようなツイートをされていました。
本番でミスをしても、エフィカシー(自己評価)を下げないことです。「本当は、もっと凄いミスをしたかもしれないのに、このぐらいのミスで済ませた自分は凄い」と捉えて、エフィカシーを高めていけば良いでしょう。そして、次からもっと素晴らしい演奏をする工夫をすれば良いのです。
ちょうど本番を終えて、次の本番を迎えようとしている今の自分にとってこのツイートはとても心強い言葉に思えました。
自分が思っているミスなんて聴いている人にとってはなんでもないものだったりすることはたくさんあります。頑張った自分、その瞬間音楽に集中して楽しめたことを否定してしまうのは、自分に対しても、音楽に対しても失礼なこと。そう思って、また前を向いて歩いていけばいいのだと改めて思い知らされました。
しかし、いつからなのでしょうな、こんなに失敗を恐れるようになったのは。確かに小さい頃からあがり症ではあったし、思い当たるような大きな失敗も何回かあるけれど、昔は元気よく「しでかしました、すみません!」と言って割りきれていたのに、歳を重ねるほど「失敗できない」という思いが「楽しくてたまらないからぶちかまそうぜ!」という思いを乗り越えるようになってきてしまいました。
確かに仕事上では歳を重ねるほど責任は重くなるものです。そして責任が重くなる分、ミスもできなくなるし、逆に後輩のミスをフォローできるくらいになることが求められます。それは当然のことだと思います。
でも、音楽をやるのに年齢は関係ないはずです。歳を重ねることで豊かな表現ができるようになることもあるし、逆に若いからこそできることもあると思います。だからいくつになっても、仲間たちとフォローし合い、高め合いながら、目の前の音楽にぶつかっていけばいいのだと思います。
頭ではそうわかっているはずなのに、知らず知らずのうちに自分のことを「失敗してはいけない」「間違えてはいけない」と縛るようになってしまっているのは、音楽にまでも仕事上の責任感を持ち込んでしまっているからなのかもしれません。ふとそんな考えが浮かんできました。
本当はただ何も考えずに、音楽を思いっきり楽しんだり、ラッパ吹くのが嬉しくてたまらなかったり、仲間たちと熱く音楽議論するのが大好きだった自分であるはずなのに、気づいたら、そことはかけ離れたところに自分を自分で追いやっていました。

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