今日は、Twitterのフォロワーさんとのやりとりから、「お腹の力み」について考えたことをまとめておこうと思います。
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(Fさん)
実は原因が判明したのですが、お腹で無理に力を使っていたようです。ただ解決の仕方がまだ分からず、奮闘中です。
お腹の力みを取るのにいい案はありませんか?
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(私)
お腹の力みは、多くの管楽器奏者が癖になっているという話を聞いたことがあります。「力を抜こう」と考えると逆に力が入ってしまうので、例えば「息を下から上に」など別のプランを意識してみるとよいかもしれません。あとは普段から「お腹を緩める」と考えてあげて、お腹が緩むと息が自然に入ってきてくれるという経験を積んでみるのもよいかもしれません。かくいう私も気がつくとお腹に力が入ってしまっています。息圧のある息を作り出すにはお腹も大事ですが、何事もバランスなのかなと思います。
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(Fさん)
そうですね…なかなか難しいです。笑
お腹を緩める、は初めて知りました。
力が入ったときは、また実行してみます。
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(私)
お腹に力入れるように習ってきてますしね(^^;
できないなと思うことがあったら、それに代わる「肯定形」の指示に置き換えてあげるとうまくいくことも結構あると思いますよ。
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(Fさん)
そうなんですよ、中学の時はお腹に力を入れるように習ってしまって…(¯―¯٥)
そのプラン、忘れてしまっていました。笑
あと、楽器をいったん置いてダラ〜っともしてみたいと思います。
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(私)
もちろん息を吐くときにお腹の力が助けてくれはしますけれど、常に腹に重心!と言われてしまうとそれが習慣になってしまいますものね。。
楽器を置いてダラ~プラン、いいですねぇ。たまには離れてみるのも新しい発見ができるかもしれませんね(^-^)
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前にも似たような記事を書きましたが、管楽器奏者の多くは「下っ腹で支えろ!」「重心を下に!」といった指導を受けてきています。その結果、“使った気分になりやすい”腹直筋を固めてしまいやすく、かえって呼吸をしづらくしてしまっている例も少なくありません。
息を吸う時、腹筋群は使いません。ちょっと実験してみましょう。
お腹に力を入れて、息を目一杯絞り出してみてください。
お腹の力をゆるめてみてください。
すると、自然に息が入ってくるはずです。
お腹の力をゆるめると、お腹が前に出て、それに引っ張られて横隔膜が下がり、自然に息が入ってきます。つまり、息を吸う時には、お腹をゆるめてあげることが必要なわけです。
息を吐く時、腹筋群はその動作を助けてくれます。また実験してみましょう。
お腹に力を入れずに、ため息をついてみてください。
お腹に力を入れて、さらに息を吐き出してみてください。
きっと、さらに息を吐き出すことができるはずです。
このとき使う筋肉は深層筋である「腹横筋」がメインです。ただこの筋肉の厄介なところは“使った感じがしない”というところにあります。どうしても「お腹を使う」と考えると腹直筋を固めてしまう傾向があります。その辺が難しいところですが、「使っている感じ」を手放してあげた方が、結果として楽にからだをつかってあげることができるようになると思います。
★参考: 『腹直筋を手放そうキャンペーン』で楽に呼吸をする!
→ http://rapparapa.at.webry.info/201507/article_24.html
ただ、「力を入れないようにする」というように、「~しない」という否定形の指令は、人間の脳はあまり受け付けないということが知られています。
有名な実験をしてみましょう。
ピンクの象を想像しないでください。
鼻の長い象を想像しないでください。
大きな象を想像しないでください。
さて、どんなイメージが頭の中でできあがったでしょうか。
だからもし「~しないようにする」ということをしたいときには、新たに肯定形の指示で置き換えてあげることが大切です。肯定形の指示は、人間の脳は素直に受け入れてくれます。
自分自身に対しても、相手に対しても、否定形ではなく、肯定形で話せると、からだも心もHAPPYでいられるのかなと思います。
「お腹をゆるめてみる」
自分自身も大切にして練習して行こうと思います。
お腹、緩めてみませんか? ~もっと楽に呼吸をするために~
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