少し前のことになりますが、以下のようなツイートをしたところ、多くの方に反応して頂きました。
「伝わっているはず」「言ったつもり」「知っていて当然」が重なると、誤解を生じたり、気持ちがすれ違ったりして、関係がこじれてしまうことがあります。集団で音楽をつくっていくときには、音や息づかいなどで気づくことも大事ですが、丁寧な言葉でのコミュニケーションも大切にすることと必要です。
— おのれー (@rapparapa18) 2017年11月11日
部活はもちろんのこと、誰かと関わっていく中でいざこざが起こってしまう最も大きな要因は、「自分の思っていることが相手に思うように伝わっていなかった」ということのような気がします。
今日は、「伝えるということ」について少しつぶやいてみたいと思います。
|言葉の背景にある前提が共有できているか
私のツイートに対して、トモさん (@MTomotake)が次のようなコメントをしてくださいました。
共感
伝わったつもりが1割くらいな事もあるし。個人の背景の差から言葉の定義も捉え方も違っているし。前提として方向性をどうしたいってあるのだがその前提すら誤解されることもあるし。
ある意味、今さらながら前提の共有からって感じるこのごろ。 https://t.co/6lWc93ccB9— トモ (@MTomotake) 2017年11月11日
確かに、「前提の共有」はとても重要なポイントのように思います。しかし育った環境も、考え方や感じ方も異なる人同士が「前提の共有」をすることは、容易なことではありません。
それだけに、初対面だったり、出会って日がたたない人と会話をするときには、私たちは必然的に丁寧に言葉を伝えようとするものだと思います。
しかし、だんだん慣れてくると、「これくらいは分かってくれるだろう」という思いが芽生えて、伝える言葉に雑さが出てくることもあるような気がします。その結果、いらぬ誤解が生じたり、相手を怒らせてしまったりといったことが起こってくるような気がします。
「教員は話が長い」と言われることがあります。
もちろん無駄な話で長いこともあると思いますが、多くの生徒を相手にしたとき、できるだけ誤解が生じないように、できるだけ誰にでもわかるように話そうと思うと、説明が長くなってしまうこともあるように思います。
自分のブログ記事がついつい長くなってしまうのも、できるだけ書いた言葉が独り歩きして、自分の本意と異なる意味でとらえられたくないという思いがあるのかもしれません。
話を元に戻すと、やはり相手に何かを伝えようとする時には、少し面倒でも丁寧に言葉を選んで、相手がどのように言葉を受け止めているのかを確認しながら話すことが大事だなと思います。
教員にとっての常識は、決して生徒にとっての常識ではない。
本当に分かってもらいたいと思うのなら、感情に任せて言い聞かせるのではなくて、自分が何を考え、何を思い、何を伝えたいのか、真剣に向き合って話すことなのかなと。それを私たち教員は忘れてはいけないなと思います。
|声かけ次第で、相手をやる気にできる
できていないことがある時に、もし相手が全くそのことに気づいていなかったら指摘したり、気づくように促すことは必要なことです。でも単にダメ出しをするだけで、次にどう向かうかの助言もせず、キレて出ていっては非生産的です。「自分がそうされてきたから」ではない指導を心がけたいものです。
もちろん、心の中では生徒(後輩)の成長を熱く願うことも、人として感情をむき出しにして向き合っていくことも大事なことです。ただ、どこかに客観性を持っていることも必要だし、感情論だけで具体的方策が示せないようなことにならないように、自分自身が引き出しを増やせるように学ぶことも必要です。
では、叱らないで褒めていればいいのか。
決してそうでもないような気がします。
誰でも褒められると嬉しいし、やる気が出ると思います。ただ、褒められることが目的になってしまうと、本当に自分がやりたいことを見失ってしまうこともあります。先輩が後輩を教える時も、できたことがあったら思い切り褒めることも大事ですが、同時に更に次を目指せるような声かけをしたいものです。
褒めるも叱るも、良くも悪くも紙一重なところがあります。指導をする上で大事なのは、ただ目の前で起きていることを素直に受け止めて、それに対して相手がより求めていることが何かを考え、それに近づくために次どうすればいいのか、いろいろなアイディアを提示していくことなのかとも思います。
次も私のツイートを読んで、ゆ先輩🌾吹奏楽 (@percchocomaccha)さんがコメントをして下さったものです。
言葉選びの大切さを痛感します。
指摘されたあと、心地いい感情になってやる気になったことがあります。「基本的なことはできてるから、後はここをしっかり頼んだよ!例えばこう練習するのも手段の一つ。あなたならすぐできるさ」みたいな感じ‥
相手を思う気持ちも大切にしながら実践したいです✨ https://t.co/8fRErpOC8j— ゆ先輩🌾吹奏楽 (@percchocomaccha) 2017年11月12日
結局は、「相手のことを大切に思っているかどうか」「相手のことも大切にできているか」ということを、自問自答しつつ、相手の反応を見ながら接していくことが大事なところなのかなとも思います。
「大切にする」ことが、恩の押し売りになってはいけません。どんなに相手のことを思ってのことであっても、自分の思いを相手に強制することが必ずしも相手にとって良いことだとは限りません。
どう受け止めるかは相手次第。
自分がコントロールできるのは、自分が発することのできる言葉だけ。
それだけに、「親しき中にも礼儀あり」という言葉が示すように、家族でも、恋人でも、どんなに親しい友達でも、言葉には気を付けて接したいものです。
難しいことかもしれませんが、自分自身もそういうところに気を付けて生徒と向き合っていきたいし、生徒たちにも、仲間たちと触れ合う中で、そんなあたたかい気持ちを育んでもらえたらうれしいなと思います。
ピンバック: 「ほうれん草+角煮」で円滑なコミュニケーションを! | とあるラッパ吹きのつぶやき