ご利用は、計画的に。 ~ブレスコントロールについて考える前に~

先日、声楽家として活動している友人に、音楽表現と呼吸法について相談させてもらう機会がありました。その中で改めて感じたのが、ブレスの大切さでした。
特に大事だなと思ったことは「ブレスの位置を決める」ということです。
これまでも、「ここで吸う」という位置は決めてやってきましたが、「どのくらいかけて吸うのか」「どのくらいの量吸うのか」「どれくらいずつ使っていくのか」ということが最近少し雑になっていたことに気づきました。
どこでブレスをとるか、どのくらいの時間をかけて、どのくらいの量とるのか、プランをきちんと立てて、それを守ろうしてみると、フレーズのつながりもよくなるし、自然にブレスが深くなるような気がします。
例えば、下の譜例であったら、次のように決めてみます(あくまで一例なので、必ずしもこの通りにする必要はありませんが)。声で歌ってみて息が続くようだったら、楽器でも続くはずなので、それも参考にして考えてみます。

画像

その上で、決めたブレスとブレスの間で、どれくらい息を使う必要があるのかを考えてみます。もし、決めたブレスの位置で息が足りなくなるようだったら、まず息を吸う量を増やしてみます。それでもできそうになかったら、間にもう1か所ブレスの場所を増やしてみるのもいいと思います。大切なのは、「決めた位置以外では吸わない」ように練習することです。実際にこれを意識して何回か練習してみたら、息が長続きするようになっただけでなく、表現したいように吹ける状態に近づいていきました。
行き当たりばったりで吹くと、予期せぬところでフレーズが途切れてしまったり、息がもたないから途中でやめてしまったりと、音楽的に停滞してしまうことが多々あるような気がします。ブレスの位置を決めておくことで、「ここまでは何としてでも一息でいこう」と思えばそれだけたくさんの息を吸うこともできるでしょうし、「ここまでくれば吸うことができる」と思えば、フレーズの終わりまでで使い切ることもできるようになると思います。
最後に大事になってくることは出てくる音楽がどうかということです。それは綿密に計画立ててみることで、十分表現できるように思います。これから吹こうとする音楽を、声に出して歌うことができるか。やろうとしていることに見合った息を吸うことができるか。それを見直してみるだけでも、音程も音色も、表現もとてもよくなるように思います。イメージできていないことは実際にはできません。まずどう演奏したいかが重要な気がします。
何となく感覚で掴んでいることでも、きちんと自分の言葉として人に説明することができるか。それくらい理解してやっているかどうかってとても大切なことで、そこが明確になると、自信を持って演奏できるようになる気がします。自分の中であいまいなことは、楽器でやろうとしても無理な話なように思います。
いろいろ自分の中でもあいまいになっていたところが多く、焦って何かをやりがちですが、いいヒントをもらったので、もう少し計画的に、譜面という設計図をどのように実物にしていくのかを考えて、演奏をしていきたいと思います。

iQiPlus

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。