仲間を大切にすること、自分を大切にすること

吹奏楽はチームでつくりあげていく音楽の形態です。一人ではできません。いろいろな楽器があって、いろいろな音色が混ざり合って、一つのハーモニーを作り出すところが面白さの一つであるような気もします。
そこで大切になってくるのは仲間の存在です。一人ひとり考えていることが異なる人間だからこそ、感じ方も人それぞれですし、それを互いに出し合っていくことで、自分一人では気づくことができなかったことに気づけることもありますし、それだけみんなの力で音楽を深めていくこともできると思います。
しかし一方で、一人ひとり違う人間の集まりだからこそ、意見がまとまらなかったり、気持ちがバラバラになってしまったりして、なかなかうまくいかないこともたくさん出てくるような気もします。大勢で一つの音楽をつくりあげようとするからこそ、「こうしなければいけない」「こうであらなければいけない」といった決まりごとや、ルールのようなものが暗黙の了解のもとに成り立っていることも多いように感じます。それはある程度は必要なことだと思います。
ただ問題なのは、声の大きい勢力が絶対的な権力を握ってしまい、それ以外の意見は受け付けないような、独裁的な状態に陥ってしまうことです。ある程度の方向性を決めて、集団を動かしていくためには仕方のない面もあると思いますが、一人ひとりの気持ちをないがしろにしてまで強引に物事を決めていくようなやり方では、自ら感じて奏でる演奏にはつながっていかないような気がします。自分の意見を主張できることはとても大切なことですが、同時に人の意見に耳を傾けることも必要なことです。
大事なのは、自分の意見を主張できる安心感と、相手の意見を受け入れる寛容さを持ち合わせること。
いつでも仲間の存在は大切なものです。それに縛られてしまったら元も子もありませんが、ありのままの自分を受け入れてもらえる安心感のある場所があるということは、少し冒険するときにとても力になってくれると思います。ぶつかることもあると思いますが、腹を割って話し合える仲間の存在は本当にかけがえのないもののように思います。
ぶつかって、自分のことを分かってもらえないかもしれない、仲が悪くなってしまうかもしれないという不安を抱くことは当然のことです。ましてや毎日顔を合わせるような中高の部活だったりしたら、仲間と仲が悪くなってしまうことは怖いことだと思いますし、居場所を見失ってしまうかもしれません。
本当に分かってくれなかったら仕方がないこと。育ってきた環境も、考え方も性格も異なる人間と100%分かり合えることなどありません。でも、伝わらないと思って諦めてしまったら絶対に伝わることもないですし、互いに何を考えているのか分からない不安感を抱いたままになってしまいます。できることならば、ぶつかることを恐れて上辺の付き合いをするよりは、ぶつかってでも本音で話し合えることを大切にできる環境で音楽をしたいものです。
もしかしたら、自分にとって都合の悪いことやちょっと厳しいことを言われることもあるかもしれません。それが自分の足を引っ張るためのものだったら無視すればよいと思います。でも、少しでも自分ことを思って言ってくれていると感じるうちは、まだ人に支えられている証拠です。それは感謝すべきことのような気もしますし、自分自身が成長するきっかけにもなるかもしれない貴重なアドバイスをもらえたと思えたらいいと思います。
難しいことではありますが、自分にとって本当にプラスにはたらいてくれる人のことは大事にしていけるといいと思います。疎遠になっても、厳しいことを言われても、最後に自分のことを助けてくれる人はいると思います。目先の利益ではなく、長い目で見て自分を育ててくれる人と付き合いたいものですし、できたら自分自身も誰かにとってそういう存在になれるようになりたいものです。
仲間との付き合い方で悩んでいる人はたくさんいると思います。
自分自身の力だけではどうすることもできなくて、苦しんでいる人もいるかと思います。
本当に苦しくなって、辛くなって、音楽をやるどころではなくなってしまったとしたら、その場から離れることも必要なことです。それは自分を守るために必要なことであって、決して逃げることではありません。
でも、もしまだ少しでもこの環境で頑張ってみようと思えることがあったら、人から言われたことをどう受け止めるか、少し思考の転換をしてみることで、だいぶ楽に仲間と付き合えるようになることもあるように思います。
自分の生き方を大切にしている人は輝いて見えるものです。周りをよく見ていると、そういう人はいませんか?もし、近くにそういう人がいたとしたら、「うらやましいな」「自分には無理だな」と思うのではなくて、「自分もあんなふうになろう!」と思って、その人の行動を観察してみると、思考の転換のきっかけにできることもあるかと思います。
逆に自己否定に走ったり、自分だけが大変だとアピールして他人の足までも引っ張って自分を保とうとする人に近づくと、自分までもが否定的な思考に陥り、調子を崩してしまうことがあります。できれば否定的な思考からは遠ざかっていたいものです。
そうやって人のいいところ、自分のいいところに注目して、逆に嫌なところや否定的なところはできるだけ見聞きしないようにしながら生きていくことで、仲間と円滑なコミュニケーションをとっていけたらいいのかもしれないと思います。

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