新入生が入ってきたときに考えたいこと

入学式シーズン。
新しい生活に不安と期待を抱きながら進学した人もたくさんいらっしゃることと思います。
一方、進級して上級生となった在校生や私たち教員にとっては、新しい仲間たちを受け入れるための心の準備をしつつ、勧誘活動に力を入れる時期でもあります。「今年は何人入ってくれるかな」「どんな子が入ってくるのかな」など新入生を受け入れる側にとっても不安と期待の気持ちでいっぱいだと思います。
では、実際に新入生が入ってきたら、どのように接すればよいのでしょうか?
ひと昔前の吹奏楽部だったら、次のような光景が当たり前だった気がします。
・1ヶ月は楽器を持たせてもらえず、ひたすらマウスピースだけで練習
・挨拶や返事、敬語をはじめ、部活の規則を徹底的に叩き込まれる
・先輩たちが練習している様子を、とにかく見学
マウスピースだけの練習についてはいろいろ思うところはありますが、他の事については確かに大切だなと思うところもあります。でも、大切だからといってそれだけになってしまったら、楽器をやりたい、音楽をやりたいと思ってきた新入生はどのように感じるでしょうか。
何事も初めは肝心。
新入生が入ってくると、つい初めから規律や奏法について厳しく指導したくなるかもしれません。もちろん変な癖をつけないようにとか、早く慣れてもらいたいという親心もあると思いますが、まずは興味を持つこと、もっとやりたいという気持ちを引き出すことが大切だと思います。
初めて楽器を持ったとき、初めて音が出たとき、初めて合奏に参加したとき、どんな気持ちだったでしょうか。緊張しながらも、きっとワクワクした気持ちに押されて、一生懸命頑張ろうと思っていた人が多いような気がします。その気持ちを持ち続けている人は、自分自身で成長し続けられると思います。
いい意味で初心を忘れないこと。それは自分が成長し続けるためにも、後輩とどう関わっていくかを考える上でも大切なことのように思います。焦って詰めこみ過ぎると、好きなことでも嫌気がさしてしまうこともある気がします。「もっとやりたい」と自ら望んでやれる環境づくりはとても大切だと思います。
何事も初めが肝心。
だからこそ、規律や奏法よりも先に、「やりたい」「自分も頑張ればできる」と思う気持ちを育てていくことが大切なのだと思います。ちょっとでも音が出たら一緒に喜んだり、思い切り褒めたりすることも大事だと思います。少し意地悪ですが、初めのうちは毎日満足するまで楽器に触るのでもなく、「まだやっていたい」「もっとやりたい」と思うくらいで止めておく、というワザも使ってみるといいかもしれません。
新入生が入ってきて、先輩として何を伝えるべきか悩むこともあると思います。教えるためには、たくさんの事を知っている必要もありますし、それを実際にやってみて体得している必要もあります。でもだからといって、自分が完璧にできるようになってからでなければ教えてはいけないということもありません。教える中で自分も成長することができればいいのだと思います。「1から教える機会は、自分が1から学ぶチャンス」だと思って、初めから完璧を求めず、今できるベストを尽くせたらよいと思います。
慣習にこだわらず、いろいろなことを取り入れながら、後輩たち、生徒たちと共に成長していきたいものです。

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