顧問と外部講師の関係を考える ~最近の相談から~

最近、部活の外部講師を務めている方から、顧問とどう接すればよいかという相談を受けることが何度かありました。今日は、そのことについて、自分が考えていることを書いていきたいと思います。
外部講師の方からの相談で一番多いのは、「どのあたりまで部活の運営に踏み込んでよいのか」ということです。
これは、顧問の先生がどの程度指導にかかわっておられるかにもよるかと思います。
例えば、自分の中高時代を思い返してみると、音楽的な指導はすべて外部講師の方に任せており、顧問の先生は主に事務的な面だけを担っておられましたので、部員からしてみると、外部講師の方の意見が絶対であり、顧問の先生に頼ることはあまりなかったように思います。
このように、音楽面と事務的な面が完全に分離されている場合は、顧問の先生に適宜生徒の様子を伝え、気になる面をサポートしてもらいながら、基本的には外部講師の方のやり方で進めていけばよいような気がします。
難しいのは、顧問の先生も音楽的な指導に携わっている場合です。
よく聞く話が、「顧問の先生よりも外部講師の方の方が教え方が上手いので、生徒がそちらになついてしまい、顧問の言うことを聞かなくなってしまう」という話です。
私はこれはある程度は仕方がないかなと思っています。
確かに顧問も学校の教員であり、教えるプロかもしれません。でも、多くの場合、外部講師の方は音楽のプロであり、その道の経験が豊富な方です。「音楽を教える」ということに関しては、外部講師の方の方が力があるのは当然のことだと思います。
自分の場合、外部講師の方のほうが昔から部活を見てくださっている方で、後から自分が赴任したのであまり「生徒をとられる」という感情になったことはありません。むしろ、講師の方が自分にもいろいろノウハウを教えてくださりながら、立ててくださるのでとてもやりやすいです。そのあたりは非常に感謝しています。
しかしなんだかんだ言っても、顧問は生徒といる時間が長いわけですから、たとえ技術的な指導が未熟であっても、精神的な支えにはなれるような気がします。
生徒をどう育てていきたいか。
結局はそこなのだと思います。生徒たちにとって一番良い方法は何なのかを考え、生徒たちにとって一番よい教育を提供するのが私たち教員の責務だと思います。だからこそ、顧問が力不足なところは外部講師の方に積極的に力を借りればいいと個人的には思っています。
ただ、外部講師が顧問や学校の悪口を言ったり、顧問と違う方針を押し通して独裁政治を行うのも、また違うような気がします。
子どもたちからの信頼を得ることは難しいことかもしれません。
でも、本当に真摯に向き合っていけば、信頼というものは自然に生じるものなのだと思います。
だからこそ、顧問、外部講師という立場は違うかもしれないけれど、逆に複数の目で一人ひとりの子どもたちのよいところを見つけて互いに共有し、共に育てていく雰囲気をつくっていけたらなと思います。
確かに子どもたちがなついてくれたらうれしいものです。
子どもたちがなかなか自分を受け入れてくれなかったらさみしいものです。
でも、自分のそういった感情よりも生徒のために何が一番よいかを考えて動ける教員でありたいものです。
指導者として、常に謙虚でいること。
それが一番大切なのかもしれません。自分も肝に銘じていきたいと思います。

iQiPlus

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。