首と唇に力が入ってしまうのを解消するには? ~最近のやりとりの中から~

今日もTwitterのフォロワーさんからの質問から「首と唇に力が入る」ということについて考えたことをまとめていきたいと思います。
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(Eさん)
私も高校で今トランペットを吹いています!
もしよろしければ、変な力が抜けるよい練習方法があれば教えていただけませんか?

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(私)
トランペットやられているんですね!
「力が入る」とは、具体的にどのあたりに力が入る感じですか?
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(Eさん)
首とか唇に力が入ってしまいます
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(私)
なるほど、首と唇ですか。
首については、頭の位置(背骨と頭がつながっているのは、ちょうど鼻の高さくらいです)を確認して、頭が天井からつられているようなイメージで、「上へ前へ」向かうという意識を持ち続けるとよいかもしれません。また、楽器の角度によっても調整できると思うので、いろんな角度を試してみて、一番力の入りづらい角度を探してみてもいいように思います。
唇については、リップスラーの練習をたくさんするとよいかと思います。このとき、無理に音を変えようとしないで、音と音の「間の音」も入れてグリッサンドするように吹いてみると柔軟性が増すかと思います。
唇に力が入りすぎているとリップスラーをやっても、音がこもってしまいがちです。音色に気を付けて、「自分が出せる一番いい音」で鳴らすことを常に意識してみるとよいかもしれません。
分かりづらいところなどがあったら、ごめんなさい。言ってくださいね。
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(Eさん)
ご丁寧にありがとうございます!今日、教えていただいた事を試してみました、唇とか首の変な力が少し抜けたように感じました!これからも継続していこうと思います。
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(私)
いえいえ。それは良かったです!
またもし力が入ることがあったら言ってくださいね。
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首についての相談は、この他にもよく受けることがあります。
例えば、
「吹くときに前が首がふくらむ」
「ずっと吹いていると首の後ろ側が痛くなる」

といった感じでしょうか。
私の後輩でも、首がふくらむのを押さえるために首にプロテクターを巻いて吹いていた子もいましたし、自分自身、長いこと吹いていると首の後ろ側が痛くなってくることもありました。
いくつか原因はあると思うのですが、一番大きいのはやはり「息と圧力」の関係のように思います。
息圧の強い息を送り出すとき、どうしても体でもその圧力を受け止める必要があります。一般には、それが「お腹」だったり「みぞおち」だったりする訳ですが、それが「首」にかかってしまうこともあると思います。
ではどうすれば良いのかというと、一つには「プレスの仕方を考える」ということがあげられるかと思います。
喉に手を当てながら、
 下顎を前に出してみて下さい。
 下顎を下に引いてみて下さい。
また、喉に手を当てながら
 
 下を向いてみて下さい。
 上を向いてみて下さい。
いずれの場合も、過度にやると喉に力が入ることが分かるかと思います。
まず、一番力が入らない状態を探してあげて、そこに向けて手を使ってマウスピースと唇を密着させてあげることで、プレスによる圧と息圧をうまく支えてあげられることができるようになるように思います。
もし、私のように首の後ろ側に力が入って痛くなってしまうというときには、Eさんへの回答に書いたように、アレクサンダー・テクニークの基本となる「プライマリー・コントロール(頭と脊椎の関係)」を意識してあげると良いように思います。そうすると、縮こまって潰されていた頸椎たちの感覚が広がり、首が「ギュッ」と固まった状態から逃れることができるように思います。
★プライマリー・コントロールについて
 →http://rapparapa.at.webry.info/201507/article_1.html
唇に力が入ってしまうことについては、「自分でアンブシュアをつくりにいかない」というところにヒントがあるかと思います。
★テューバのバズイングで楽にトランペットを吹く
 →http://rapparapa.at.webry.info/201506/article_14.html
唇をマウスピースの大きさに合わせて、無理に締めて吹こうとすると、必然的に余計な力が入ることがあります。これを抜くためには、mpくらいで、「自分が出せる一番いい音色」でロングトーンをする所からはじめ、その音色を保ちながらリップスラーをやってみると、自然に必要なだけ必要なところに力の入ったアンブシュアになっていくように思います。
何事も「バランス」と「動的であること」が大切です。
「いい姿勢」「正しいアンブシュア」にこだわることなく、出てきた音で判断しながら自分にとって一番いい奏法を確立していくのがよいような気がします。
参考になれば幸いです。

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