競争と協調を共存させて音楽を奏でる ~仲間と良好な関係を築くために~

人間は潜在的に競争心を持ち合わせているものだと思います。
それが動物的本能というか、自分が生き残っていくための防衛本能だからです。
でも、その一方で、一つの社会を形成するためには「人と協調すること」も必要になってきます。
まさに吹奏楽やオーケストラという、大人数で何か一つのものをつくるときには協調性があるか、ということは大きなポイントになってくるかと思います。
しかし、「協調する」といっても、自分を押し殺し、他人に合わせ、時に依存するようではいけません。
『自分』という大切な存在をしっかりもちつつ、周りと協調することが求められます。
ではそもそも、「競争」と「協調」という言葉には、どのような意味が込められているのでしょうか。
デジタル大辞泉にには、
「競争」 
1 互いに同じ目的に向かって勝敗・優劣をきそい合うこと。
2 生物の、ある生息空間や食物をめぐる相互作用。異種どうしの種間競争と同一種どうしの種内競争がある。
「協調」
互いに協力し合うこと。特に、利害や立場などの異なるものどうしが協力し合うこと。

と書かれています。
ここで注目したいのは、「競争」は“同じ目的に向かって”競い合うことである、ということです。
まず、仲間たちと“同じ目的”を共有することができているか。
そして、いろんな立場(楽器)の人たちが自分のいいところを出し合って、“互いに協力し合うこと”ができているか。
一つの音楽をつくりあげていくとき、「競争」することも「協調」することも、やはりとても大切なことのように思います。
私自身、今までたくさんのラッパ吹きと出会ってきて、素敵な師匠や仲間とたくさん巡り会うことができました。もちろん、どの人もとても大切な人たちだけれど、やっぱり最後に一番大事にしたいと思うのは、切磋琢磨しながらお互いの音楽を引き出し合える、最強のパートナーであり、最高のライバルと呼べる人、なのかもなと思ったりします。
今、その人がどう思っているかは分からないし、自分が一方的にそう思っているだけかもしれないけれど、自分が自分というラッパ吹きであるためには必要な人で、大切にしたいと思う気持ちに嘘偽りはありません。
そういう人に出会えたことに感謝の気持ちを忘れずに、謙虚に学び続けるラッパ吹きでありたいと思います。
それが、仲間と良好な関係を築きながら、心から奏でたい音楽に近づいていく第一歩なのかもしれません。
本来、音楽の目的は競争したり、優劣をつけたりすることではありません。自分が本当に「こう奏でたい 」と望む音楽にどうやって近づいていくかが練習の過程であって、どれだけ自分でやってきたことを伸び伸びと表現できるかが本番の醍醐味だと言えます。
でも、互いを高め合うための競争は必要なのかもしれないし、同じ目的のために切磋琢磨し合える仲間と巡り合えることは本当に幸せなことなのだとも思います。
今日は全国大会高校の部。出演校の皆さんが、賞だけにとらわれることなく、自分たちがやってきたことを、最強のパートナーであり最高のライバルである仲間たちと、堂々と奏でれますように。
(Twitterまとめ)

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