吹奏楽コンクール考⑧ ~全国大会のチケット高騰について考える~

今年も全日本吹奏楽コンクール高校の部のチケット抽選に外れました。Twitterを見ていると、同じように外れてしまった人もたくさんいるようです。
確かに全国レベルの演奏を生で聴きにいくことは大切なことですし、しかも多数の団体を聴くことができる全国大会に人気が出て、プラチナチケットになることは当然のことかもしれません。
でも、タイムラインを見ていたら、チケットが早々にネットオークションに出品され、5万円も6万円もにはねあがっているという情報が流れてきました。
確かにそれだけの金額を出してでも聴きたい気持ちは分かるし、出演者の家族だったらそれはなおさらのことだとも思います。
でも、オークションで5万、6万…という状態は、やはり異常事態だと思うのです。
吹奏楽が盛んになって、音楽愛好者が増えること、情報交換や交流はいいことだと思うけれど、某番組がコンクールを過剰に持ち上げすぎて、音楽の本質から大きく外れていってしまっている気がします。
何より、もし商売的な視点で吹奏楽をとりあげ、コンクールを煽っているとしたら、本気で音楽を奏でようとしている出演校の方々に失礼な行為だと自分は思います。
コンクールという場は、日頃の練習の成果を発揮し、それを競演していく場です。
確かに金銀銅の賞はつくけれど、出演する子どもたちにとっては、心から音楽を奏でるかけがえのない本番の一つに過ぎません。
その証拠に、たとえ金賞でなくとも、全国大会に出場できなくとも、自分たちが奏でたい音楽を、自分達の持てる100%の力で表現して、音楽を楽しむことができたら、悔いは残らないと思うのです。
これがただ賞を競うだけのコンクールだったら、賞がついてこなかったら後悔だらけでしょう。
音楽の本質は、自分たちが奏でたい音楽を楽しみながら奏でることだと思います。
金賞をとらなければ、音楽は楽しめないのでしょうか?
そもそも、コンクールでは音楽を楽しんではいけないのでしょうか?
答えはいずれもNoだと思います。
それを理解した上で、ぜひ子どもたちの音楽を商用利用しないで頂きたいし、子どもたちがどんなときも音楽は楽しいものだ、楽しいのだから奏でたいと思うのだ、という環境を私たち大人がつくっていくことこそが、日本の音楽シーンをもっと深く広くしていくための必要条件であるような気がします。
吹奏楽コンクール自体は悪いことではありません。
でも、そこにはびこる根性論、利害関係については社会全体で考えていく必要があるように思います。
(Twitterまとめ)

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