アーノルド・ジェイコブスはかく語りき③ 身体を金管楽器演奏に適応させる

今日のブログは、またアーノルド・ジェイコブスの本の読書日記をしたためていこうと思います。
今回は「1-3 身体を金管楽器演奏に適応させる」についてです。
私たちの身体は、金管楽器を吹くようには作られてはいない。
だから、自然の法則にしたがいながら身体を適応させていかなければならない。
どんな音楽でもサウンドは、モーター・フォース(音のきっかけとなる力)、振動、共鳴の3つの要素から成り立っている。
金管プレイヤーにとっては、息が動力(モーターフォース)であり、唇が振動を提供し、楽器が共鳴を作り出す。
私たちは振動(ピッチ)を得るために、歌手のようにすぐれたピッチとサウンドを求めながらモーターフォース(動くエア)を楽器に送り込み続けるのである。


確かに「金管楽器を演奏する」ということは、生活上は“非日常”的なことであり、私たちは誰もがもともと金管楽器を吹くために生まれてきたわけではありません。
だからこそ、金管楽器を演奏するための頭と体の「準備」をする必要があるのだと思います。
さて、ここからが今日の本題です。
アーノルド・ジェイコブス氏は「振動を得るために息という動力を使う」と述べておられます。
確かに、唇を振動させるとき、口の中からは確実に息が出ていきます。
しかし、息を出したからといって、唇が振動しなければ音は鳴りません。
ここがまさに金管楽器演奏のポイントなのだと思います。
「口から息を出す」という行為は、無意識のうちに“呼吸”という名のもと、日頃から行われていますが、「唇を振動させる」という行為は、意図的にしない限り起こりえないものです。
ともすれば、「息が動力」という言葉は、「ブレスこそ命」という考えに陥りやすいわけですが、その目的が「唇の振動を支える」ところにあるという目的を見失ってしまわないようにしないと、オーバーブローで逆に音が出ない、などということも起こりかねません。
もしかしたら、素人の考えですから私の考えが誤っているかもしれませんが、私は、ここの解釈をどうするかがとても大切な気がしています。
そして、「唇を振動させる」という“非日常”的な行為が条件反射的に自然にできるように体を徐々に適応させていくことが、金管楽器を演奏する上での一つの上達のポイントになってくるのだろうなと思います。
自分自身、トランペットをはじめて25年ほど経ちますが、時間だけが積み重ねられていって、実際に目に見えて「進歩したな」と思うことは少ないし、まだまだ身体を金管楽器演奏に適応させるところまでたどり着いていないかもしれません。
でも、大好きなラッパをもっと楽しく演奏するためにも、少しずつ、あらゆるアプローチから身体を金管楽器演奏に適応させることができたらなと思っています。

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