アーノルド・ジェイコブスはかく語りき② 模倣から始め、やがて高みへ

今日も引き続き、世界的テューバ奏者であるアーノルド・ジェイコブスの言葉を集めた『アーノルド・ジェイコブスはかく語りき』の読書日記を書いていこうと思います。
今回は「1-2 模倣から始め、やがて高みへ」についてです。
模倣そして創造性に満ちた考え方は、上達するための強力な道具である。
偉大なミュージシャンたちの演奏の真似をする、
自分が理想とする楽器の音を頭の中に創る、
この両方あるいはどちらかを行って、
音楽的でメンタルな刺激を変えていく。
すぐれた演奏に耳を傾けよ。
そうすれば目指すべきゴールは何かが分かる。


「学ぶ(まなぶ)」という言葉は、もともと「真似ぶ(まねぶ)」だったと言われます。
そういう意味でも、「模倣する」ということは、学びの出発地点だと考えることができます。
そもそも、自分が楽器を始めた理由は何だったでしょうか。
私の場合は、小学校の鼓笛隊で上級生が演奏している姿がかっこよくて、
自分もあんな風にラッパを吹けるようになりたいと思ったのがきっかけでした。
ピアノやヴァイオリンなど、小さいころから習い事としてやっているものは、
もしかしたら「親に言われて…」という動機の人もいるかもしれません。
でも、多くの人が「楽器を演奏する」ということに何らかの憧れを感じて、
楽器を始めたのではないでしょうか。
「ああいう風に演奏できるようになりたい」
その思いこそが、音楽を始める動機となり、続ける原動力となってきたはずです。
そんな前向きな思いをもって始めたはずなのに、
「こう吹かなくてはいけない」
「ミスしてはいけない」
と思うようになってくると、音楽が「音が苦」になってしまいます。
目標を始めから達成してしまったら、それ以上のものにはなりません。
はじめから完璧にできてしまうなんていうことはないのです。
目標は高ければ高いほど、達成しづらいものになります。
だからこそ、目に見えた結果が得られないと行き詰まりを感じてしまうのかもしれません。
でも、高い目標をもって、頭の中で「やりたい」音楽を鳴らし続けることで、
少しずつでも、それに近づいていくことを楽しんでいければよいのではないかと思います。
そのためには目標となる優れた演奏、優れた音楽を知る必要があります。
できれば生でたくさんの音楽を聴き、自分が真似したいと思える音楽を探していくことが大切だと思います。
特に若いうちには、できるだけその出会いを多く持ちたいものです。
出会いが多ければ多いほど、自分の目指す音楽の引き出しは増えていくわけですから。
自分もまだまだこれからと思って、いろんな音楽と出会い、たくさんの人のつながりの中から自分のやりたい音楽を追求し続けていけたらと思います。

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