合奏中の返事について

吹奏楽部に入った時、先生が言ったことに対して、何でもすぐに「はいっ!」と大きな声で返事をするのがなかなかできなくて、「声が小さい!」とよく先輩に言われた記憶がある。そして、「はいっ!」と言っておきながら、本当は分かっていない時もあって、それで本当に間違えると、指揮者に「はいっ!って言ったんだからわかってんだろ!」と怒鳴られた。だからと言って「もう1回お願いします」というと「ちゃんと聞いてろ!」と怒られたものだ。あの頃のことを友人が振り返って、「一生分怒られたかもしれない」と言っていたが、確かにそんな中高の6年間だったかもしれない。もちろんん、かけがえのない6年間だったのだけど。
今の部活でも、学生指揮者が前に立っている時、返事の声が小さいと、「返事は?!」と言ってもう1回やり直しをさせていることがある。確かに、言われたことに対して、きちんと返事を返すことは大切なことだ。また、別の視点から考えても、「はいっ!」と短く大きな声でいうためには、息を瞬間的に吐くいい練習にもなるように個人的には思う。
大学でオーケストラに入った時、指揮者の指示に対して、「はいっ!」と言ったら浮いてしまって、恥ずかしい思いをした記憶がある。もちろん、周りの先輩もうなずいたり、「はい」と言ったり、何らかの反応をしているのだが、条件反射的ではなく、きちんと指揮者と会話をして音楽をつくっていこうという雰囲気があって、音楽ってこうやって作っていかなきゃな、と思うようになった。
だから今、本番が近づいてき頃に気合を入れるために「はいっ!」と短くそろえる『儀式』みたいなことはやってしまうけれど、できるだけ、部員と会話をしながら合奏を進めるように気を付けている。わからないときは、「わかりません」とか「もう一度お願いします」って言ってほしいと伝えている。思春期の子どもたちにとっては、言いづらい言葉みたいだけど・・・。そんな時は「はい」という返事のニュアンスで悟るようにしている。バラバラに返ってきたり、声が小さかったりしたら、もう一度言い方を変えて説明してみる。バシッとそろっていたら、先に進めていく。
教師と生徒という立場はあるけれど、だからこそ、子どもたちの感性を伸ばすべく、いったん音楽を始めたら一緒に音楽をつくっていく仲間として、言葉でも音でも会話をしながら音楽づくりをしたい。そんな風に思っている。

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合奏中の返事について” への2件のコメント

  1. ツイッターでフォローさせて頂いてる木村将伍です。
    僕も中学生の時に、『返事したのに出来てない』と怒られたことがあります。
    わからないのが恥ずかしいみたいなのがあったので…
    僕も音楽を伝える立場として、悩むことが多いですが、生徒達には『わからなかったら言ってね』と伝え、生徒達が意見を言いやすいような雰囲気作りをしています。
    これからも楽しく拝見させて頂きます(^ ^)

  2. コメントありがとうございます。
    なかなか中学生くらいだと「わかりません」というのが恥ずかしくて言えなくて、結局そのまま進んでしまって…というパターンが私の場合多いような気がしています。
    雰囲気づくり、大切ですよね。わからなかったり、失敗したりすることは恥ずかしいことではない。むしろわからないことをそのままにする方が恥ずかしい。大人になって言葉でいうのは簡単なんですけどね(^^;
    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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